その他の症状にも対応出来ます。
詳しくはお問い合わせ下さい。
どんな病気やどんな症状であれ、病んでいるところに手を当てられると、私たちは「気持ちいい」と感じます。これが「手当て」の基本です。
では、なぜマッサージで手を当てられると症状が軽くなり、治っていくのでしょう?
その1 手からはいろんなものが出ている
一般に知られているだけでも、手からは赤外線や磁気、熱などが発せられています。これを東洋医学では「気」と総称しています。
そんな「気」の源である手を当てられるから、「気持ちいい」と感じるわけです。ここがマッサージ機と大きく違う点です。
その2 脳が「違い」を感じる
さて、手を当てられた皮膚や筋肉、内臓には血流が一気に流れ込み、緊張が解けていきます。それとともに細胞が活性化され、機能を回復させる物質が次々と患部へ入ってきます。その時私たちの脳は「気持ちいい」と感じ、それまで感じていた「不快」の感覚と「快」の感覚との「違い」を、無意識的に認識するのです。そしてその違いを少しだけ意識下に持っていく。
この一連の過程を繰り返し行うことで、刺激(手当て)から反応(快)までの時間を短くしていくことができます。そうなれば、自分で自分を治していく「自己治癒」も、自然にできるようになります。
その3 上手なマッサージ師とは…
上手なマッサージ師とは、どんな人でしょう?
それは、繊細で温かい手を持つ人です。柔らかく触れ、柔らかく動かす。時には手を当てるだけで気が巡り、滞りが解消し、十分な効果を上げることができます。
マッサージとは、様々な手技療法の総称です。グイグイと力づくで揉むマッサージなんて、もはや時代遅れなのです。
【症例報告】
A様 70代後半・男性 脊柱管狭窄症 週2回治療
Aさんは脊柱管狭窄症に腰椎滑り症が加わり、下肢の痺れで悩んでいました。
しかし、元々活動的な性格のAさんは、毎日奥様と共に1日30分の散歩は欠かさず、地域のボランティア活動のため週に2度は外出される日々です。
とは言え狭窄症のため歩行姿勢はかなり前傾になり、腰の筋肉はパンパンに張ってしまって、腰痛をさらに悪化させかねない状況です。が、Aさんは歩行器を使うことをとても嫌がっていました。「自分は若い。そんなの使うのは年寄り臭い」と…。
その1 都度都度のマッサージだけでは改善しない
私たちが施術に伺うと、いつも「腰が張ってつらいから、ここをマッサージしてほしい」と訴えられます。もちろんおつらい腰のマッサージはするものの、根本原因である「かなりの前傾姿勢で歩く」状況を改善しなければ、いくらマッサージで筋肉をほぐしても、状況は一向に変わりません。…しかしAさん、杖は使うものの、歩行器はとても嫌なご様子です。
その2 きっかけを「待つ」ことも治療
Aさんはやがて「腰が痛過ぎて主治医に相談したら手術を勧められたんだが、どうしたら良いか迷っている」とおっしゃるようになりました。そこで私たちは「手術をするのは最後の手段です。その前に、できることはすべて試してみませんか?」と歩行器を促しました。するとAさん、かくもあっさりと受け容れて下さったのです!
その3 治療とは「身体や生活そのものに変化を与えること」
このように、治療とは単に対処療法的に「その場をしのぐ」だけではなく、その患者様の持っている身体能力や意欲を見定めた上で、原因となっている根本的な問題(身体的問題・心理的問題)を特定し、施術によって身体バランスに変化を与え、更には生活スタイルそのものに変化を与えることだと私たちは考えています。
歩行器によって負荷は軽減され、腰痛は改善しました。
【症例報告】
A様 80代前半・女性 慢性関節リウマチ 週3回治療
Aさんは若い頃からの慢性関節リウマチが徐々に悪化し、整形外科の主治医からも「今さらリハビリしてもねぇ…」と見放される始末。「慢性=治らない」という周囲の意見に反発して、当院のリハビリマッサージをお申込みになりました。
その1 三者三様の手技
実はAさん、以前にも訪問マッサージや訪問PT(理学療法)を受けていたことがあるとのこと。当院のリハビリマッサージを受けてしばらくした後、Aさんはこんなことをおっしゃいました。「一隣堂さんの施術は三者三様ね。可笑しくなっちゃう位人によってみんな違うんですねぇ。」率直に言ってくださり有り難い限りです。
しかし、当院では治療方法の統一はしていません。皆、一人一人が違う手技を持ち、それぞれの診立てをしながら治療にあたっているのです。
その2 最善の治療を提供するために
なぜでしょう?
それは、リハビリマッサージと一口で言っても、治療方法や診立ての仕方は山ほどあるからです。しかも、各施術者はそれぞれの師匠のもと、それぞれの診立てや治療方法を学び、当院のスタッフとして集まってきました。従って、患者様に最善の治療を提供するためには、最大公約数的な治療方法ではなく、それぞれが得意とする手技を活かして臨み、互いに内容を共有し合うことなのだと私たちは信じているのです。
その3 大切なのは「共有」
ここで大切なのは、施術者が互いに診立てや治療内容、その結果
を共有し合うことです。これは、会社としてはとても手間とお金のかかることなのですが、これこそが治療院の命なのだと信じて、
私たちは日々技術の向上に努めています。患者様のお身体や性格はお一人お一人違います。ゆえに、治療方法が同じで良い筈は無いのです。当院はオーダーメイドの治療を目指していきます。
人間の身体の中で、とても大切なのが「お腹」です。
お腹には重要な臓器が集まっており、複雑に関係しあって働いています。
身体の中心をあたためることが、身体全体に良い効果を発揮します。
その1 お腹はどうして冷えるの?
冷たい飲み物・食べ物を食べることが多かったり、クーラーが効いた室内に長い時間いることによって、冷えてしまいます。また、ストレスや疲れによって血行が悪くなり、冷えてしまうこともあります。
身体の熱は活動することによって生まれます。日常的に活動が少ない方の場合、腹筋や背筋の働きが少なくなってしまうため、常にお腹が冷えやすい状態になります。
その2 お腹が冷えるとどうなるの?
まず、胃腸が冷えることによって、食欲低下・消化機能低下・下痢・便秘など、様々な症状が出てきます。
臓器全体が冷えると、基本的な代謝も低下しますので、全身がだるくなったり、疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなることもあります。
全身の血行が悪くなることにより、筋肉が硬くなり、コリが出やすくなる可能性もあります。では、どのようにしてお腹をあたためたら良いでしょう。
その3 お腹をあたためる腹部マッサージ
勿論、身体があたたまるような飲み物や食べ物(生姜・ニンニク・香辛料等)を食べたり、腹巻やカイロであたためる方法もあります。
更に効果的なのが腹部マッサージです。腹部に優しく手を当ててあげるだけで内臓は活性化され、代謝が促進されます。それにより
身体がリラックスし、呼吸が深くなる効果も期待出来ます。
寝たきりで下痢や便秘が続く場合は当院へご相談下さい。
【症例報告】
A様 70代後半・男性 肺ガン末期 週3回治療
肺ガンが転移していたAさんは、口癖のようによくこうおっしゃっていました。
「もう俺、ダメかな?先生。まだ、こうして息できてるし、座れるし、まだ大丈夫だよね?先生。」
私たちは肯定も否定もせず、ただじっとAさんの目を見つめて、うなずくだけ…。
その1 ただ、ひたすらに傾聴する
Aさんはご家族にとても感謝していました。「こんな身体になっちまって、家族には迷惑かけてばっかで…ほんと申し訳ないって思ってんだ。」
しかし、いざ家族の前となると、いろいろな愚痴や甘えや孤独感が溢れ出て、なぜだか家族に当たり散らしてしまうAさん。
そんなAさんの複雑なお気持ちを、ただ私たちは聴いて差し上げるだけ…。
その2 私たちには何ができるのか?
肺ガンの末期になってくると、痩せ細り、在宅での酸素吸入が始まり、咳き込みがひどくなってきます。その度に、全身の筋肉をふり絞って咳をし、背中や胸郭回りはひどい筋肉痛を起こしています。
少しでも楽に寝て過ごせるよう、筋肉の負担をマッサージで軽くして差し上げます。
同時に、家族にもこういうケアをしてほしい、とマッサージの仕方を教え、家族が担えるところが沢山あることをお伝えします。
その3 やがて来るその時に向けて
すべての人に、≪死≫はあります。しかし、あまりにも非日常的な「その時」に、私たちもまたどう向き合っていいのかわからず、ただ戸惑うばかりです。でも、それでいいんです。
私たちは患者様の傍らで、しっかりと手を握りしめています。
ご家族の傍らで、しっかりとお話しを受けとめています。それがターミナルケアであり、グリーフケアなのです。
【症例報告】
A様 80代前半・男性 パーキンソン病・歩行不可 週2回治療
Aさんはパーキンソン病で、介助で立ち上がり・立位保持がかろうじてできる程度です。しかし、ご家族はどうしても「歩いてほしい」という思いが強く、実際に歩くことは不可能なのに、「歩行リハビリをして下さい」と強く迫ってきます。
その1 意見がバラバラな時こそ
Aさんはボソボソと一言二言しか話すことができません。また、どうみてもご本人様のお身体は歩きたがっていません。この状況下でご本人様とご家族との意見がバラバラな時、転倒やぎっくり腰など、思わぬ事故が起きることがあります。
そんな時、大切になるのが「チームケア」です。介護に直接関わるヘルパーやケアマネジャー、訪問看護師や往診医などと担当者会議で意見を交わし、共通のゴールを設け、リスクを回避する方法を探る。これがチームケアです。
その2 チームスポーツと似て
各々の専門家が自分の専門領域だけを担当していれば良いのか?…答えは勿論、 ノーです。そうではなく、目指すゴールや方法論、意識を1つにまとめていくことで、一人一人の専門家が1つのチームとして統一した動きを図ることができるのです。
これは例えるなら、サッカーなどのチームスポーツと似ています。自分の守備範囲を守っているだけでは、連携ミスが出たり、思わぬ落とし穴を突かれたりと、想定外のことが多々起きます。しかし、チームとして1つにまとまった時、互いに補い合い、普段通りの(または普段以上の)力を発揮することができるのです。
その3 Aさんのその後
Aさんはその後も事故無く過ごすことができました。少しずつ ご家族が気持ちを打ち明けて下さり、過剰だった思いも当初よりは落ち着き、Aさんのお身体の変化を少しずつ受け容れていくことができました。「事故を起こして後悔する」という最悪のシナリオを防ぐことができたのです。
「上手なマッサージ師さんをお願いします」
私たちはよく、こういう依頼のされ方をします。「はい、承知しました」とは
言うものの、この患者様にとってどんなマッサージ師が「上手なマッサージ師」だ
と感じるのか? この組み合わせの妙技は、経験と勘の見せ所となります。
その1 人によって「上手」の感じ方は違う
一般的に言えば、「上手」の定義は、手馴れている・経験が長い・様々な症例を治療している・ツボにピタッとはまる等の「経験的要素」や「技術的要素」が挙げられます。しかしそれ以外にも、タッチが繊細・相性が合う等の「素質的要素」、一生懸命にしてくれる・愛情深い等の「人格的要素」があります。
マッサージは、看護や介護など他の人的サービスよりも、素質的要素や人格的要素が患者様により大きく影響します。なぜなら人は幼い頃から、両親や近しい人達からたくさんの愛情深いスキンシップを受け、何が自分にとって心地よいかを本能的に知っているからです。これだけ多くの要素が絡んでいるがゆえに、人によって「上手」の感じ方は違ってくるのです。
その2 施術方法が統一されると・・・
人は一人ひとり顔や性格が違います。同じように、マッサージ師のマッサージも一人ひとり違った味わいになります。逆に、施術方法が統一されたクイックマッサージ等は、この「味わい」がありません。言ってみれば「技術的要素」だけを追い求めたマッサージはマッサージ器とあまり変わらないとも言えるでしょう。
その3 担当者が替わることのメリット
担当者が替わると、最初は「違和感」を感じるかもしれません。しかし、同じ担当者が長年施術を続けていると、どうしてもマンネリ化したり、施術方法や結果に行き詰まりが出てくるのが正直なところです。つまりより良い「結果」を得るには、たとえお気に入りの担当者でも定期的に人を替え、そこに新たな視点や息吹を入れることが大切になってくるのです。
ヒトが本能的に生き抜くための、無意識的な感覚の働きを五感といいます。
視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚…すべて無意識的、本能的な感覚です。
その1 五感を意識して
マッサージで衰えた機能を活性化させるには、効果的な刺激をスムーズに伝え、「心地よい」と感じて頂くことが大切です。これにより、脳に伝わる五感の「快」のストローク(刺激)が増え、その質が変化してきます。この変化により、脳がより多くの好反応を起こせるようになります。
そのため、私たちは五感を意識した施術を行っているのです。
その2 こんな経験が…
ある時、脳梗塞で麻痺のある患者様が、「自分で患部を見ながらマッサージを受けた方が、気持ち良いです」と言われました。
これは、視覚と触覚の2つの感覚器からの情報が相乗効果となり、見て確認することで脳の知覚回路が広がり、麻痺しているはずの感覚が改善したのです。これは例えるなら、注射を受ける際、針先を見ると余計に痛さを感じるのと同じ現象です。
五感は外界からの刺激を、瞬時に脳に伝え、快不快を判断させる機能です。そのため、情報を過去の経験や記憶から判断して、無意識のうちに良い悪いを判断して、体に変化を起こさせるのです。
その3 感覚を再統合させる
何気ないことですが、「患部を見てて下さい」「どんな感じがしますか?」と声かけをすることで、私たちは触覚と視覚・聴覚を再統合させる施術を行っています。最近は、「感情」を五感に含めて六感とも言われています。大切なのは、温かい人と人のコミュニケーションです。好感情が好反応を生むのですね。
先日、認知症のイベントで、ある女性の方からこんなご相談を受けました。
「主人が三か月後に施設に入居するのですが、施設に訪問してマッサージをしてもらったり、歩行練習を手伝ってもらったりすることは出来るかしら。」
その1 施設にも訪問できます
私たちは御自宅だけでなく、施設にも伺って施術を行っております。もちろんマッサージのみならず、患者様のニーズに合わせて歩行練習や立位練習も行っております。
※施設によっては外部の業者を受け入れない場合もありますので、あらかじめご相談下さい。
その2 個別に対応ができます
施設では主に、グループで体操や筋力トレーニングをしますが、利用者様に対して個別に対応することは難しいのが実情です。そんな時に私たちを利用して頂ければ、患者様お一人お一人に対して、個別に、医療的にアプローチすることができます。
ひとえに「歩行困難」といっても、その方その方で原因となっていることや障害となっていることは皆異なるのです。
その3 患者様の身近な存在になれます
私たちは施術を通じて、患者様に密接に関わることができます。例えば、患者様の他愛のないお話しに20~30分じっくりお付き合いすることで、心身のケアに努めております。
時には、普段出しにくい本音を「ここだけのお話」として話して下さることも。
私たちは、患者様の心身や環境面の細かな変化にも気づきやすい関係です。
私たちはそういった情報を出来る限りケアスタッフに伝えることで、患者様と介護支援者との橋渡しになることができるのです。
【症例報告】
A様 70代・男性/独居 腰痛・膝痛
一隣堂では多くの場合、患者様をダブル担当制(複数担当制)で施術しています。
その1 ある日のカンファレンス風景
「A様、今まで家具を伝いながら横歩行していたけど、最近前歩行になってきましたよね。膝の痛みが減ってきたんですかね?」「それもあるかも知れないけど、前日の夜にちゃんと寝られると翌日の歩行が良くなるって、この前仰ってました」「へー、そうなんですか‽! あと最近、歩行器のカバー取ったりするのも、私たちに任せてくれるようになりましたよね」「そうそう、最初は全部自分でやるって感じだったのに、最近はひとの手を借りることに抵抗なくなってきたみたい」「今ならヘルパーさんの受け入れもしやすいかも」「じゃあ、ケアマネさんに相談してみましょうか?」「そうですね、ヘルパーさんが入ってくれたら、もう少し生活環境が良くなるかも」・・・
その2 複数の視点だからできる立体的な診立て
A様はどちらかと言うと無口なタイプの男性なので、生活のご様子を聞き取るのが少し難しい方でした。しかしダブル担当制で、それぞれの施術者がそれぞれの関係性をつくり、異なった視点から生活のご様子を聞き取ることで、より立体的な診立てや提案ができるようになるのです。これに対して、シングル担当制だと、その施術者の癖や思い込みで診立てをしたり、施術方法がマンネリ化する可能性があります。
A様の歩行障害の一因は、睡眠障害だったことが判りました。そこで早速、施術の短期目標に「睡眠障害の改善」が加わりました。
その3 施術が行き詰った時にも…
正直なところ、私たちも施術が行き詰まったり、患者様との関係性がうまくいかなくなることもあります。
そんな時、このダブル担当制が真価を発揮します。お互いの悩みを相談したり、時に喜び合ったり…同じ立場、同じ温度感で一人の患者様と向き合うことができるのです。
マッサージって揉むこと、指圧すること、でしょ?
じゃ、リハビリマッサージって何? 何がふつうのマッサージと違うの?
…そんなシンプルな質問を頂いたので、率直に答えてみました。
その1 リハビリマッサージは、医療行為です
まず、違う点。それは、リハビリマッサージは「医療行為」だという点です。
つまり、患者様にとっての日常生活上のゴールを見極め、それを達成させるための具体的な方法論を「西洋医学的見地」から導き出し施術する、ということです。
たとえば、脳梗塞後遺症の片麻痺の患者様に、歩行姿勢の改善を行うケース。
ここでは、麻痺している筋肉をマッサージで緩め、さらにバランスを改善するための訓練を行います。それは時に、健側(良い側)の筋力強化だったり、患側(悪い側)の脱力テクニックだったりします。
ここで大切なのは、「西洋医学的見地」から論理的に説明ができ、再現が可能だということ。これが「医療行為」の原点であると、私たちは考えています。
その2 リハビリマッサージは、「リハビリも行うマッサージ」です
もともと「リハビリテーション」という方法論が輸入される前、急性期の機能訓練はマッサージ師も担ってきました。
そうです。機能訓練という現場においては、「あなたはマッサージ師だから、マッサージだけをやって」とか「あなたは理学療法士だから、リハビリテーションだけをやって」などという住み分けはナンセンスなのです。すべては一体的に、必要に応じて必要なことを行う…それがあるべき姿であると、私たちは考えています。
私たちは「リハビリも行うマッサージ」なのです。
その3 リハビリマッサージは、完全オーダーメイドです
私たちはベルトコンベアー式の仕事はできません。一人ひとりの患者様の状態、性格、意欲、ゴールに応じて、完全オーダーメイドで施術をつくっていきます。ここが一番の違いですね!
【症例報告】
Aさん 90代 変形性膝関節症 週1回治療
Aさんは下肢浮腫の軽減を目的に当院で訪問マッサージを受けられています。
膝の変形性関節症が強く、外出する際は車椅子での移動です。また、マンション2Fで独居で生活されていて、室内はシルバーカーを使用して歩行されています。
その1 主治医からの提案
ある時、Aさんは主治医の先生に「膝が痛い」とお話されました。すると先生からは「痛みは膝の変形が原因だから膝まわりの筋肉をつける為に出来るだけ運動をした方が良いよ」とアドバイスが返ってきました。
しかしAさん、身体を動かすことが好きではありません。困ってしまいました。
その2 私たちは補助的なリハビリも行えます
そこでケアマネさんと相談し、元々、Aさんに携わっているわたしたちが訪問した時にマッサージに併せて補助的なリハビリを行い、Aさんの運動不足を解消することになりました。
Aさんも関係性のあるわたしたちに心を開いていただき、毎週、マッサージを受ける前に階段を昇降するリハビリに積極的に取り組んで下さいました。
現在、Aさんは今でも施術を受けながら元気に生活されています。
その3 マッサージ×リハビリ=相乗効果
わたしたちはAさんが膝の状態が悪い中で、安全にリハビリに取り組めるよう、マッサージの所要時間に加えて10分ほど自費料金で時間延長を提案しました。そしてその時間をリハビリに取り組む時間に当てました。こうしてAさんはマッサージで膝をケアしながら、安心してリハビリに励むことが出来たのです。
マッサージとリハビリを組み合わせて施術した場合、このようにして相乗効果を生み出すことも出来ます。
【症例報告】
A様 90代前半・女性 変形性膝関節症 週2回治療
「私、もっと歩けるようになりたいんですけど、リハビリは嫌なんです」
そう、おっしゃるAさん。リハビリは「大変」「億劫」「つらい」「痛い」…そんなマイナスなイメージがつきまとうようです。ご家族は「もっとリハビリをしてほしいんですけど…」と困り顔。
その1 毎回、目的を明確に伝える
Aさんは「今日は暑いから」「今日は痛いから」といろいろな理由でまずは断りを入れてきます。しかし、そのお気持ちを一度受けとめた上で、「でも、あのコンビニまでご自分で歩いて行きたいんですよね?」と、リハビリの目的を明確に伝えると、Aさんは「そうね」と応じて下さいます。そして、いったん歩き出したAさんは、何事も無かったかのように歩行器を器用に使いこなし、着実に歩を進めます。
その2 勝算があるかどうか?
Aさんは、膝に大きな変形をきたし、可動域がかなり制限されています。しかし、元来の運動神経の良さと、比較的強い脚力(筋力)を持っています。
私たちは、Aさんの身体能力を診立て、意欲、住環境、家族関係を考慮しながら、勝算(可能性)とリスクとを明確にします。その上で、両者を秤にかけて、どこまで勧めるかを決定します。
「可能性をイメージできるか?」…これが施術者の一番のポイントです。
その3 リスクを下げる努力
すべての治療にはリスクが伴います。ましてや積極的リハビリは
尚更です。そのリスクを下げるのは、施術者の技術と冷静な診立て、そして患者様・ご家族の強い意欲です。これらすべてが噛み合って初めて、目的は実現されるのです。
私たちは、リスクを避けるだけではなく、少しでもリスクを下げられるよう、日々努力しています。
【症例報告】
A様 60代前半・男性 脳出血後遺症 週2回治療
Aさんは脳出血後遺症を8ヶ月前に患い、回復期リハビリテーション病院を退院。若い頃はスポーツマンだったようで、体格も良く、最近までテニスをしたり、山歩きもされていたそうです。そんなAさんは半身麻痺になった今でも、回復への意欲には強いものがあります。しかし、思うように進まないリハビリに焦りも感じています。
その1 今までできなかった身体の動きを、できるようにする
そんなAさんにこう切り出してみました。「Aさんはスポーツが大好きですよね?リハビリをスポーツだと思ってチャレンジしてみませんか?」
この言葉に、彼はにわかに反応しました。「それはいいですね!楽しそう!」
たしかに、「今までできなかった身体の動きを、できるようにする」という意味で、リハビリもスポーツも同じです。
その2 大切なのは、楽しいかどうか?
野球を例にします。ヒットを打てるバッターと打てないバッターの動きの違いは、素人目にはあまりわかりません。なぜなら、ほんの僅かな違いがあるだけだからです。
同じように、半身麻痺の方が上半身ぶれずに安全に歩けるかどうかも、ある意味、ほんの僅かな違いだけなのかも知れません。しかし、打てないバッターが打てるようになるのと同じように、リハビリもまた難しい。
大切なのは、そのチャレンジが楽しいかどうか?
その3 ゲーム性を取り入れる
Aさんは、駅前まで歩く時間を計測し始めました。速く歩く
だけではなく、逆にいかにゆっくり歩けるかも計測対象とし、「今日は先週と比べてタイムが上がった」と報告をくれます。
このように、リハビリがちょっとした楽しみになっていき、計測を記録していくと、ご自身がどれだけ上手くなったのかが一目瞭然でわかります。Aさん、楽しそうです。
【症例報告】
A様 80代前半・女性 円背による腰痛症 週2回治療
訪問時、娘様が「お母さん!朝から何も食べてないから、散歩ついでにコンビニでお弁当買ってきて!食べないと〇〇さんみたく、入院になるよ!」とイライラ声。
Aさんはお身体の線も細く、夏バテになってしまうと食も水分も細くなりがちです。
その1 ご家族とはいつも「言い合い」になってしまう…
「娘とはいつも言い合いになっちゃうのよ」とこぼすAさん。「水分や食事を摂るのが大事なのはわかるけど…ああ言われるとね…」。
そんな時、私たち外部の人間が関わることで、ご家族内の人間関係にも変化の兆しが現れます。施術者が「私もお腹空いているので、一緒にコンビニまで買い物に行きませんか?私この辺りの道、よくわからないので」と声をかけると、渋々ながら重い腰を上げて出かけるAさん。でも、いざお店に入ると、Aさんは「食べたいものある?私が買うから」と、お母さん顔に大変身!
その2 理由は、夏バテ?
Aさんは、なぜ食や水分が細くなってしまったのでしょう?
もちろん、夏バテ気味ということがあります。でも、よくよく理由を伺うと「家族とは生活時間が違うでしょ?一人で食事をするのは寂しいのよね」とこぼすAさん。そう、いつしか知らないうちに、Aさんは孤食になっていたのです。
その3 役割を変える
コンビニで買ってきたお茶で、Aさんは施術者と「乾杯~!」そして一緒にお弁当を食べ始めました。すると「私も少し意地になっていたかもね」と本音がぽろり。
一緒に食べてくれる人がいる。お弁当を買ってあげたい人がいる。Aさんは「いつも援助される人」から「(施術者を)援助する人」に変わったのです。
役割を変えただけのシンプルな援助が、大切だったりするのですね。
5月19日は鍼灸専門学校の学生を対象とした企業説明会に参加して参りました。
10名の学生さんと話すことが出来ました。説明会の後、Kトレーナーの講演会が開催されました。今回はそのKトレーナーの講演会のレポート報告をしようと思います。
その1 Kトレーナーとは
Kトレーナーはサッカーの長友佑都選手が支持する体幹トレーニングのメソッドを提唱されています。プロトレーナーとして、数多くのプロアスリートに体幹トレーニングを指導してきた先生です。
その2 プロアスリートのトレーニングの実際
体幹トレーニングのメソッドの基本は実にシンプルです。
・身体の軸を鍛えること
・そのためにインナーマッスル(内側の筋肉)を鍛えることです。
そして、トレーナーはアスリートの身体の弱点を分析して選手に説明し、納得して興味を持ってもらうことが大切、と仰っていました。
また興味深かったのは、プロのアスリートですら腹筋や背筋など地味なメニューの体幹トレーニングは嫌い!苦手!という人が多かったことです。みんな同じなんですね。
その3 高齢者のリハビリにも活用
この体幹トレーニングは、高齢者のリハビリでも活用できます。患者様の身体を分析し、リハビリの目的や内容を説明して納得して興味を持って取り組んで頂くことが出来れば、リハビリの効果も向上しやすいのです。
「やる気になって頂くこと」その大切さを学んだ講演会でした。
足に自信がなくなってきた時、杖は人生の大切なパートナーになりますね。ただし、杖も正しい選び方使い方をしないと、思わぬ怪我をすることも…。
正しく使って外に出て、歩くことの喜びを満喫されて下さい。
その1 握り・柄・ゴム先
杖は握り、柄、ゴム先で構成されていますが、握りは一番大事な部分です。握った時に「親指と人差し指が、第一関節あたりで重なるもの」が、力を
入れやすく、握りやすい太さになります。
柄は、まっすぐなもので適度な重さがある方が安定します。
ゴム先は、特に滑りにくい事が大切です。摩耗すると滑りやすくなるので、滑り止めの溝がなくなったり、片方がすり減ったら早めに交換して下さい。
その2 使いやすい長さは?
腕を下ろし楽な姿勢で杖を垂直に立て、手首の骨が出ているところが握りの高さの位置。杖を握った時に、肘が軽く曲がる程度(伸ばした肘が約30度曲がる程度)が目安です。
腰や背中が曲がっている方は、2~3センチ短めにすると良い場面が多いです。目安は、≪曲がったままでの身長÷2+3センチ≫です。
その3 力が十分入るために
杖は、悪い足の反対側の手に持ちます。
悪い方の足が右の場合は、杖を左手に握り、杖を一歩前に出します。その時、脇が開いていると杖に力が入りません。脇を締め、できるだけ肘も体に付けながら歩くと、力が十分入ります。
【症例報告】
A様 80代前半・女性 円背・外反母趾・骨粗鬆症 週2回治療
「最近二度も転んでしまって…」と、Aさんからご依頼を頂きました。
初回お試し施術時にAさんのお身体を診ると、足に大きな特徴が見られました。
その1 転倒しやすいかは、足を見ればすぐわかる
私たち施術者は、足の状態をよく観察します。Aさんの場合、
・親指が左右とも巻き爪で、他の指の爪もボロボロに傷んでいる
・外反母趾があり、各指の関節が山なりに変形している
・足指の腹が萎縮して、触るととても痛がる
・偏平足で、かつ足首の動きが硬い
という特徴が見られました。
その2 過敏な状態をマッサージで緩和させる
Aさんは足裏や足指を触られること自体が痛く、すぐに引っ込め反射が出てしまいます。このような場合、「触れられる」という刺激に慣れて頂くことから始めます。
最初はおっかなびっくりだったマッサージも、回を重ねるに従って、徐々に刺激に慣れていきます。それに伴い、少しずつ少しずつ刺激量を上げていき、巻き爪周囲や指の腹に触れても痛くないようになっていきます。
その3 かかと重心から3点重心へ
転倒していた頃は爪先が弱く、重心を爪先に乗せることができなかったAさん。しかし徐々に刺激に慣れるに従って、やや内股での爪先立ち(かかと上げ)の運動もできるようになり、かかと・親指の付け根・小指の付け根の3点で、重心を支えられるようになってきました。
Aさんは着実に歩行が安定してきています。次の目標は「かかと踏み込み」です!
港区の訪問看護ステーション主催の勉強会に参加し、脳卒中後遺症のリハビリテーションについて理学療法士のK先生から学んで参りました。
その1 脳卒中発症後の予後
「機能回復曲線」というグラフがあります。
これは脳卒中発症後3ヶ月でどれだけ身体機能を回復出来るかのグラフですが、発症後の回復期リハがいかに大切なのかがわかります。
しかし、裏を返すと、3ヶ月以降は身体機能の改善が大変難しくなるとも言えます。
その2 回復期リハで大切なこと
この発症後3ヶ月の回復期リハで最も大切なことは、①リハによって目標の動作を獲得すること②獲得した動作をすぐに生活に取り入れること③そして「活動量を増やすこと」と竹谷先生は強調されていました。これによって、身体を動かす環境をつくり、好循環を促すのです。
その3 在宅療養では活動量が低下しやすい
このことは、在宅療養になった生活期のリハビリでも共通して言えることです。
退院し在宅に戻ると、途端に活動量が低下してしまうものです。「活動量そのものを上げること=リハビリ」という考え方を取り入れ、生活スタイルを一緒に見直してみませんか?
「少し歩いただけで疲れるんです。もっと歩けるようになりたいです。」
そんなお声をよく聞きます。
なぜ、高齢者は歩くだけで疲れてしまうのでしょうか?
その1 転ばないように慎重に歩いて…
太腿や足指に、余計な力が入っていませんか?
もしくは、足指をほとんど使わずに、摺り足で歩いていませんか?
触診では、足底の筋肉が硬くなっていないかも重要なチェックポイントです。足底が硬くなってくると、踵から足指への「前後の重心移動」が上手くできません。
施術では、マッサージと足指・足関節の運動療法で、柔軟な足底作りをしています。
その2 左右の重心移動
歩行観察をすると、O脚であったり、股関節が過度に外に開いていたりするなど、
歩行姿勢が崩れて「左右の重心移動」が上手くできていない方が多くおられます。
私たちは歩行姿勢をよく観察し、前後・左右への重心移動が身につくよう反復練習をしていきます。
その3 腰の動きも柔軟に
脚を前に出すと、腰はそれに合わせて左右に捻りながら動きます。
この動作がスムーズにできると、一歩を大きく踏み出せるのです。
そのためには腕を大きく振ることも大切です。
日頃から簡単にできる背中から腰のストレッチを生活動作に取り入れることで、歩き方が変わるのです。
身体の使い方が変わると、疲れ知らずになります!
【症例報告】
A様 80代後半・女性 肺炎のリスクあり 週2回治療
Aさんは肺炎のリスクが高く、体調を崩した時期があり、ベッドで横になっている時間がとても長くなりました。体力も衰え、自力で起き上がることが出来ません。このままでは身体の機能はどんどん衰えていってしまいます。
その1 身体が元気になる座り方をしよう!
活動にブレーキを掛ける副交感神経に対し、アクセルの役割をするのが交感神経です。交感神経がうまく活動すれば身体に力がみなぎり、生きる活力が生まれます。横になっている状態では交感神経はうまく働きません。座っている時間を増やすことで、眠っている交感神経を起こしてあげることが大切です。では、交感神経を正しく働かせる座り方とはどんなものでしょうか。
その2 座ったとき、足の裏を地面に着ける!
交感神経を働かせることはとても簡単です。実は交感神経と副交感神経、どちらが頑張るかは足の裏がスイッチになっているのです。
例えば、座った状態で足の裏を地面から離してみてください。頭がぼんやりしてきませんか。それから足の裏全体を地面にくっつけてみましょう。ほら、交感神経が刺激されて頭がすっきりしてきたでしょう。
その3 姿勢を工夫してみよう!
座ったとき、上体が後ろに倒れたままでは交感神経がうまく働きません。足の裏をしっかり地面に着けて、姿勢を地面から垂直な状態に保ってください。「姿勢を正しく」することで患者様の身体はエンジンを掛け直すことが出来るのです。正しい姿勢は誤嚥性肺炎の予防にもなります。
Aさんは起き上がることが出来るようになりました。
【症例報告】
A様 80歳前半・男性 脳出血後遺症 週2回治療
Aさんは脳出血後遺症で右半身麻痺となりました。現在、右膝と股関節の可動域が狭くなっています。その為、麻痺側の右足は血行不良で筋肉も硬くなっています。
現時点での目標は、この硬くなった右足の筋肉に柔軟性を取り戻し、長時間座っていられるようになることです。
その1 無駄な力を使っていませんか?
Aさんは座位の際、麻痺のない左腕を挙げて、ベッド脇にあるポール(手すり)をしっかりと握り込んでいます。そして良い側(左側)の足の親指でポールをぎゅっと挟んでいます。これは、右膝の曲がりが悪く右足が突っ張り、重心が後ろへと倒れてしまうため、重心を前へ傾けバランスを取ろうとして起きている動作です。
しかし、左側に無駄な力が入り過ぎ、身体に負担がかかってしまっています。
その2 まずはマッサージとストレッチ!
まずは硬くなった足の筋肉を揉みほぐしていきます。特に太腿、ふくらはぎ、足の裏等のマッサージには時間をかけています。
揉みほぐれたらストレッチ。そして膝関節、足関節の屈伸運動をリズミカルに50回程。膝と足関節の可動域が拡がってきたら、ベッドに腰かけ座位訓練を行います。
その3 良肢位をつくれば、座位がこんなに楽に!
そして、挙げていた腕をポールから下ろし、重ねたタオルや枕を肘にあてがい、左右対称にバランスを取ります。さらに、柔らかくなった右の股関節と膝をなるべく直角に曲げて座ることで、後ろに倒れることも少なくなり、長時間の座位が保てるようになりました。
Aさんのお顔もほころんで、嬉しそうです。
脳卒中やパーキンソン病などの脳機能に障害が起こると、「高次脳機能障害」を起こすことがあります。
その1 高次脳機能障害とは?
高次脳機能障害とは麻痺や拘縮といった身体的な症状とは異なり、「行動」や「注意力」といった「目に見えない機能」が障害されます。そのため鑑別が難しく、患者様ご本人やご家族様の理解が得られにくいのが実状です。
その2 例えば...
・進行機能障害:段取りをつけることが困難なため、時間通りに行動出来ない障害
・行動と感情の障害:ちょっとしたことで感情を爆発させてしまう障害
・言葉の理解の障害:メモが取れない障害
他にも記憶障害や注意障害、失語症、失認症、失行症などの症状があります。
その3 対処法は?
高次脳機能障害の検査法は存在するものの、百人百通りで個人差があり、正確な判別が難しいと言われています。そのため患者様と密接に関わっている私たち医療従事者が、生活をコミュニケーションの仕方を観察し、聞き取りをして症状を推測、チームケアとして対策を練って患者様の身に起こるトラブルを予防していきます。まずはご相談下さい。
節分、啓蟄を過ぎて春も近づき、いよいよ国民病といわれる花粉症の季節をむかえますね。日ごろ私たちは、免疫という能力で守られ生活しています。が、この免疫の力は一定ではありません。日常の生活習慣や環境、体質、体調、体力、ストレスなどに大きく左右されることが分かっています。
その1 アレルギー、それは過剰な免疫反応
花粉症やアレルギーがあると、いつも以上に免疫が過剰に反応して自分自身が疲れてしまいます。疲れがたまると、今まで隠れていた弱いところが出やすくなります。皆さんも経験がおありではないですか? 何もしてないのに持病の腰痛が、膝痛が・・・実は実感なく限界値を超えていたため、ちょっとした刺激が引き金になって症状が悪化したりするのです。実感がないのはやっかいです!
その2 アレルギーの改善にマッサージを
マッサージは自分自身の免疫力を高め、体調を良い状態で保つお手伝いをします。
副作用もなく、血行を促し、身体の滞りを無くし、自律神経を整えてくれます。疲れやすくなった身体を落ち着かせて、穏やかな状態に近づけてくれるのです。
日頃からご自身の身体を少しだけ労り、変化の出やすいこの季節を、健やかに乗り切ってみませんか。
【症例報告】
A様 80代前半・女性 歩行困難・下肢浮腫 週2回治療
Aさんは親指の巻き爪(左右)のため、靴も履けないほどの痛みがありました。皮膚科で肥厚した部分を切ってもらっていましたが、爪の生え際は赤く腫れ、爪先は靴や床にあたって痛い…何とかならないでしょうか?という依頼でした。
その1 巻き爪の原因
脚の筋力低下やむくみ等の血行不良、病気による麻痺などで、脚を引きずるように歩いていると、巻き爪になりやすくなります。それは重心がかかとの方へ片寄り、爪先に加重がかからなくなるため、指先や爪が浮いてしまう(遊んでしまう)からです。そうなると、指の腹は痩せ細って力無く平らになり、皮膚もざらざら。さらには爪が白くなったり凸凹になったり、爪白癬などの感染症にもかかりやすくなってきます。
その2 お灸治療
Aさんに対し、お灸による治療を行いました。
治療箇所:発赤部・爪根部・爪中央よりやや上方部
治療内容:焼灼灸/モグサを半米粒大の大きさで、痛みが治まるまで何度も施術
治療日数:計6日施術したところ、痛みは治まり、歩いても痛みが出ないことを確認
その3 マッサージ治療
さらに、各指の指腹・指の付け根・指と指の間、足底全体を
マッサージでよく刺激。刺激そのものに指や足底が耐えられるように施術しました。
これにより、指先へ加重をかけても指が逃げないようになり、さらに末梢への血行が改善、皮膚や筋肉の状態が改善しました。
【症例報告】
A様 70代前半・女性 関節リウマチ・歩行困難 週2回治療
Aさんは50代にリウマチを発症。徐々に骨が変形し、関節破壊が進み、膝は左右ともに人工関節となっています。歩行は、家具や手すりに掴まりながら、何とか室内を歩くことができています。Aさんは「リウマチになって二十年にもなるから、もう変わらないでしょう。」とあきらめ顔です。
その1 関節に「あそび」の余地をつくる
ふつう関節には、大きく動かす動きとは別に、ほんのわずかに動かす「副運動」と呼ばれる動きがあります。ところが、関節が変形したり破壊されたりすると、この副運動ができなくなります。その結果、関節を動かした時に痛みが出たり、強い抵抗感が出たり、場合によっては動かすことができなくなります。
マッサージでは、まずこの副運動をしやすくなるように、関節に「あそび」の余地をつくっていきます。
その2 円(まる)い動きを練習する
病状が進むと、身体の各関節が直線的な動きになってきます。例えるならロボットのようなカクカクとした硬い動きになり、歩行時は上半身が大きく揺れます。
リハビリでは、各関節が少しでも円みを帯びた柔らかい動きができるよう、繰り返し練習していきます。
その3 あきらめない気持ちを支える
リウマチはつらい症状が慢性的に続きます。ともすると自暴自棄になったり、イライラ感を周囲にぶつけたりと、やりきれない激しい感情になってしまいがちです。施術では患者様のお気持ちに寄り添い、あきらめない気持ちを支えていきます。病気を理解した上で傾聴することこそ、最も大切な治療となるのです。
A様 80代前半・男性 脳梗塞後遺症 週2回治療
Aさんはもう長い間、脳梗塞後遺症で寝たきりの生活をしています。
最近では発語も乏しくなり、「うん」「いい」「痛い」しか言葉に出さなくなっています。それとあいまって、唾液の誤嚥による「むせ」や咳込みが多くなり、一度、誤嚥性肺炎で入院をしました。
退院後、再び肺炎を起こすまいと、予防への取り組みが始まりました。
その1 会話に巻き込む
舌を動かす機会を増やすこと。これが家庭でできる一番のリハビリです。
治療中に楽しい会話で盛り上がると、その余韻でご家族同士が話すことも増えてくるようです。
その2 舌の拘縮を緩和させる
Aさんの下顎に触れると、舌の筋肉が硬くなっていて、拘縮傾向にあることがわかります。口から栄養を摂らない方は、よりその傾向が強くなります。
治療では、拘縮している舌の筋肉に弾力性を与え、嚥下に関係する筋肉を動きやすくし、唾液を飲み込みやすくしていきます。
Aさん、治療中の会話にも少しずつ参加してきました。
「近ごろは、むせなくなってきました」とのご報告を頂きました。
寝たきりの方は慢性的な便秘症になりがちです。
重力が垂直方向(頭→足への方向)へかかっていないことに加え、薬や食事内容
も大きく影響しています。
こうした症状に対して、一般的には「下剤のみ」で対処することが多いようです
が、マッサージでも大きな効果を発揮することができます。
その1 重力を胃腸に!
最も大切なことは、重力を胃腸にかけることです。
胃腸は重力が垂直方向にかからないと、機能が低下します。これは胃腸に限らずすべての内臓、骨や筋肉、脳に対しても同じです。
少しでもギャッジアップ(ベッドの上半身を起こすこと)を行い、できれば座位
の時間を増やすことが肝心です。
私たちは、それができるよう、機能訓練を行います。
その2 腹圧をかける
寝たきりの方でも、股関節に異常がなければ、積極的に股関節屈曲の運動(他動)を行います。通常、左右50回行うことで、腹圧をかけることができます。
「えっ? こんなに動かすことができるんですか?!」とご家族か驚かれるほど、まだまだ残存能力は残っているのです。
その3 内臓の臓器運動を促す
臓器には臓器特有の動きがあります。
その動きの状態を見極め、動きを促進していくことで、胃や大腸を
はじめとした臓器運動を活性化していくことができます。
ぜひ一度、当院へご相談下さい。
【症例報告】
A様 70代後半・男性 ALS(筋委縮性側索硬化症) 週2回治療
AさんはALSからくる不随意収縮がひどく、ちょっとした動作や刺激で脚がすぐつってしまいます。ひどい時は数分に一度脚がギューッと締め付けられ、痛みにもがいておられました。筋弛緩薬などのお薬では何ともならない状態です。
その1 強いマッサージはかえって悪化させる
Aさんは、筋肉のコントロールが効きません。ご自身で脚を動かすことはできますが、力を抜くことができないのです。だから、ちょっと体を動かした後は、歯を食いしばるような緊張状態が続きます。さらに酷いことには、通っていたリハビリ施設で「ただ強く揉むだけ」のマッサージを受け、痛みがかえって増大。疲労困憊になってしまうのでした。
その2 原因は「過敏性」
私たちが治療チームに加わり、まず行ったことは「刺激量を最小限にすること」。
なぜならAさんの状態は刺激に対する過敏性であり、筋反射の閾値(いきち/反応を引き起こすレベル)が低すぎるのです。治療では、筋肉のセンサーを司る腱紡錘(けんぼうすい)に軽度の刺激を重ね、過敏なセンターを鈍化させていきました。
その3 呼吸法や冷え対策、リハビリも大事
同時にAさんご自身でも呼吸法を覚えて頂き、動作をする時に
食いしばらないような呼吸法を身に付けて頂きました。
さらに、誘発要因となっている「冷え」を改善するための鍼灸も行い、胃腸の機能向上も図りました。加えて、脚を生活動作の中で積極的に使うリハビリも支援。身体は、「使うこと」によって機能が改善することを実感して頂きました。
Aさんの脚のつりは、少しずつ良くなっています。
【症例報告】
渋谷区 A様 40代 女性 脳出血後遺症 週2回治療
Aさんは脳出血後遺症で右半身麻痺です。回復期リハビリテーション病院で半年間訓練をしたものの、自宅での生活に強い不安があり、当院への依頼となりました。
その1 おっかなびっくりな歩き方が転倒を招く?
Aさんは歩くことに自信がありません。病院の廊下は広くまっすぐだったのでそれなりに歩けていたのですが、いざ自宅での生活となると、階段あり、段差あり、傾斜あり。自分は杖をついているのに、行き交う人はぶつかって来るし、自転車はすごいスピードで迫ってくる…。Aさんの自信はあっという間に吹き飛び、おっかなびっくりの歩き方になってしまいました。
でも、この「おっかなびっくりの歩き方」こそ、転倒を招いてしまうのです。
その2 自信をつける
リハビリ当初まず行ったのは、Aさんの腰に軽く手を触れ、ほんの少し「後押し」をしたことです。これによりAさんは無意識的に加速し、「え?私、こんなに歩けるの?」と、驚きの表情を隠しきれませんでした。
手を添える…たったこれだけで、おっかなびっくりの歩き方は自信に溢れた歩き方に変わったのです。
その3 歩くことそれ自体を目的にしない
歩くとは本来、「○○へ行きたいから歩く」という原理で働いています。でも、歩くことに自信がなくなると、どうしても歩くことそれ自体をどうにかしようとしてしまい、結果、グルグルと悪循環に陥ってしまいがちです。大切なのは「○○へ行きたい!」という気持ち。車椅子や様々な補助具を駆使して、動けることを楽しんでみて下さい! そうしたら、風景が変わりますよ。
【症例報告】
A様 80代前半・女性 脳出血後遺症・不安神経症 週2回治療
Aさんは脳出血後遺症で右半身麻痺となりました。もともと慎重で几帳面な性格でしたが、病気を経てなお一層この傾向が強くなり、あれやこれやと先走って心配をしては眠れなくなり、身体が悲鳴をあげています。
その1 血液を、お腹に取り戻す
このような患者様は、血液が頭に偏在し、いつもカッカッとしています。
頭や額、胸から汗をにじませ、お腹や下半身は冷え切っています。「寒い」と言ったり「暑い」と言ったり温度感覚がバラバラで、便秘は日常茶飯事。人によっては、イライラを周囲にぶちまけたり、かと思えば、急に不安感や孤独感が募って人間関係もままなりません。
このような場合、血液をお腹に取り戻すことが大切です。手のひらをお腹にあて、ゆっくりと深く呼吸をする…すると、手をあてた部分に血液が誘導され、これだけで症状は改善してきます。
その2 「気持ちいい」という感覚を味わう
このような患者様は「気持ちいい」という感覚から遠ざかっています。イライラは時として自分自身に向かい、絶えず自分を追い詰めてしまうのです。
そこでマッサージを受けて、「ああ、気持ちいい」という感覚を味わって頂きます。こうすることで、「私も、安らげるひと時を受け取っていいんだわ」という自己肯定感を得ることができるのです。
その3 十分な睡眠こそ、癒やしの源
そこまでできたら、もう大丈夫。少しずつ少しずつ睡眠は長く、より深くなっていきます。これこそが、自己治癒の源になります。安心して、ゆっくり、ゆったり、くつろいで下さい。
歩きにくい、転びやすい原因の一つに、浮腫があります。
浮腫には様々な原因があり、それぞれに改善方法が異なります。
今回は、特にマッサージの効果が出やすい症状をご紹介しましょう。
その1 運動不足による筋ポンプ作用の低下
ご高齢の方に多く見られる症状です。足の筋肉が良く動いていると、筋肉のポンプ作用が働き、血液やリンパ液をしっかり循環させてくれます。しかし日常的に動きが減ってしまった場合、筋力が低下し、筋ポンプ作用も低下します。本来の流れが滞り、足の甲・足首・ふくらはぎなどがむくんでしまうのです。
この場合、マッサージや運動療法が効果的です。マッサージで足先から上の方へと循環を促します。また、運動療法で筋力回復をはかり、筋ポンプ作用を回復させて、浮腫を改善します。
その2 疲労による自律神経の失調
運動不足を気にされて、しっかりお散歩をしているのに、むくんでしまうという方もいらっしゃいます。外出したり、動いた後にむくんでしまうのです。
動いて疲労したことにより、交感神経と副交感神経のバランスが悪くなってしまう場合があります。交感神経は血液やリンパ液の流れを促進する働きがありますので、この働きが悪くなると、流れは滞ります。このような場合にも、マッサージが効果的です。
マッサージで疲労物質を除去し、疲労回復を促します。更に交感神経を刺激し、血液やリンパ液の流れを促進して、浮腫の改善をはかっていきます。
【症例報告】
A様 80代後半・女性 慢性心不全末期 週3回治療
Aさんは慢性心不全で、ご自宅で手厚いケアを受けているにもかかわらず傾眠傾向が進んでいました。いつもぼんやりしているか眠っているかの状態です。お話しすることもほとんど無く、声かけに頷くか首を振るかの意思を辛うじて示される程度です。
その1 昔の記憶を呼び起こす
では、傾眠傾向が進んだ方をどうすれば良いのでしょう?
Aさんは、歌とピアノがお好きでした。そこで十八番だった五輪真弓「恋人よ」を施術者が歌ったところ、Cさんはいきなり涙をボロボロ流されました。またピアノで「キラキラ星」を一緒に弾くと、号泣…。あれだけ外界の刺激に無反応だったCさんが、いま目の前で感極まっているのです!
その2 五感を刺激する
認知機能が衰えて「さっき食事をしたかどうか」もわからなくなった方でも、昔のこと(特に18歳前後のこと)はよく覚えています。そこで、五感を刺激するために、歌(聴覚を刺激)やピアノ(弾くという触覚を刺激)、手拍子や踊り(リズム感覚を刺激)、お線香の匂い(嗅覚を刺激)も有効です。五感を刺激することで、ぼんやりしていた意識が記憶と繋がり、覚醒してくるのです。
その3 こんなシンプルな方法から!
人は太陽の光を直接浴びると、交感神経が刺激され、覚醒してきます。また、自然の風にあたったり、暑い寒いを肌で感じたりすることも重要です。
朝起きたら窓を二カ所開ける。こんなシンプルなことからでも始めることができるのです。
歩行困難になる原因の1つに、膝の痛みがあります。
高齢の女性に多い症状ですが、慢性期であっても治療の余地は十分にあります。
その1 悪循環に陥る前に ~筋力アップがカギ~
膝が痛い→歩くのが嫌になる→筋力が低下する→変形が進み痛みが増す
これが、悪循環のパターンです。
私たちの治療では、膝痛の原因を推察し、どのような補助をすれば歩きやすく
なるのかを検証しながら施術を進めます。
たとえば、杖の種類や使い方を改善したり、家具の配置を変えて動線を改善するだけで、すぐ効果が出る場合があります。また、立ち上がり方・座り方・歩き方の姿勢を少し変えることで歩きやすくなる場合もあります。
こうして、歩きやすい環境を整えることで、歩く頻度や距離を増やし、膝周囲の筋力アップを図っていきます。
その2 変形徒手矯正術
さらに、膝の変形そのものを緩やかに矯正していく手技があります。
これを行うことで、身体に負担なく、変形を部分的に改善していくことができ、
膝にかかる負担を軽くすることができます。
その3 鍼灸も有効な治療法の1つ
また、膝の痛みが強い場合、鍼灸も有効な治療法の1つです。
痛みのある局所に施術する方法もありますが、経絡(けいらく)治療
という、身体全体のバランスを診て整えるという方法が有効です。
ぜひ一度、お試し下さい。
その1 褥瘡(床ずれ)とは?
褥瘡とは、寝たきりの状態が続いて、体重で長い時間圧迫された皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、皮膚の血流が滞ってしまうことで生じる皮膚病変です。
これは寝たきりの方だけでなく、車イスに長時間座りっ放しでお尻がずっと圧迫されている方にも生じます。最初は皮膚が赤くなり痛みが出ます。進行するとただれたり、潰瘍や細菌感染を生じる場合もあります。
その2 マッサージにより細胞を活性化
マッサージには、手のひらや指を皮膚に密着させ、軽くさする「軽擦法(けいさつほう)」という手技があります。
軽擦法は人間本来が持つ手の力(手当ての力)によって、皮膚の温度を上げ、血行を良くし、新陳代謝を促す働きがあります。患部をさすると痛みが出る場合は、さすることをせず手を軽く当てることだけを行い、患部より末端側を軽擦したりします。
こうして患部の細胞を活性化させ、回復を促すことができます。
その3 栄養の消化・吸収能力を上げることも
意外に見落としがちなのは、栄養の消化・吸収問題です。
そもそも食欲が低下していたり、身体を動かさないことで腹部が重力
などの刺激を受けず消化・吸収能力が低下していたり、排泄が滞って
いたりするケースが多く見られます。
空腹時のお腹をマッサージすることで、食欲や消化・吸収能力、排泄能力を上げ、褥瘡の早期回復を促すことができるのです。
【症例報告】
A様 80代・女性 廃用性症候群による頸部後屈・硬直
ボトックス治療とは、ボツリヌス菌から抽出した成分を病的に硬直・拘縮している筋肉に注射することによって、一時的に緩める治療法です。脳梗塞後遺症で関節拘縮のある方や、廃用性症候群によって筋肉が硬直している方などに用いられます。
その1 どんな効果があるの?
ボトックス治療は硬直・拘縮している筋肉を緩める働きがありますが、その効果はあくまでも一時的で、3~6ヶ月間と言われています。大切なのは、その緩んでいる間に、筋肉をマッサージしストレッチさせることで筋肉そのものの弾力性を取り戻すことです。
その2 首が後屈すると…
A様の場合、長期の寝たきりによって首が後屈したまま硬直、頚椎も癒着して首が上下左右ほとんど動かなくなっていました。
こうなると、唾液を飲み込むことが困難になり、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。また、舌が拘縮し、発語もできなくなります。
そこで主治医がボトックス治療を開始。注射後は私たちマッサージ師が頚椎を手技で牽引し、癒着部分を緩和させながら、首周囲の筋肉をマッサージしていきました。
その3 首が動き始めると
ボトックス注射⇒マッサージ・ストレッチを何回か繰り返した後、A様は頚が少しずつ動くようになり、今では簡単な会話が成り立つようになりました!
ご家族は、片言でもお母様と会話できることが何よりも嬉しく、「私にとっての一番のご褒美です」と仰っています。
【症例報告】
A様 50代・男性 脳性麻痺
一隣堂では、重度の脳性麻痺患者様(小児含む)への施術も行っています。
その1 痛みとの闘い
A様は先天性の障害で脳性麻痺を患っています。ちょっと触られたり、身体を動かされたり、車椅子で振動刺激を受けるだけで、筋肉は物凄くこわばり、痛みが全身に走ります。
A様にとっては、痛みが「日常」であり、痛み無しに過ごせる時間はほとんどありません。
毎日・毎時間・毎分が傷みとの闘いなのです。
その2 脳性麻痺にはストレッチとマッサージを!
A様にとって唯一力が抜ける瞬間があります。それは、ストレッチで可動域一杯に関節や筋肉が伸ばされた直後の瞬間です。
そして、そのストレッチができるためには、マッサージで筋肉をよくほぐしておく必要があります。…しかし、これが難しい。
なぜなら、マッサージが新たな「刺激」となって痛みを誘発する可能性があるからです。私たちはW様の身体の特質を分析し、痛みや痙縮・強剛が最小限になるよう日々研究しています。
その3 施術料は無料!
あまり知られていないことなのですが、脳性麻痺などの重度障がい者への施術は、障がい者医療受給者証などの公費負担証があれば、原則無料で受けられます。詳しくは当院までお問い合わせ下さい。
慢性化していても諦めないで下さい。楽になるための可能性を、ともに探していきませんか?
何かと厄介者扱いされる「ストレスくん」。
「ストレスを溜めないで!」とはよく言われますが、かと言って、お酒や
カラオケでストレスを「紛らす」だけでは限界がありますよね。
では、当座しのぎではない、ストレスくんとの上手な付き合い方とは一体とういうものがあるのでしょう。
その1 ストレスくんを「意識する」
ストレスくんがやってきた時、私たちはまず無意識のうちに、彼を身体で
感じます。掌に汗をかいたり、呼吸が荒くなったり、顔が火照ったり、爪を噛んだり、貧乏ゆすりをしたり、頭や肌を掻きむしったり・・・。症状は人それぞれですが、共通して言えるのは、「ストレスくんが来た!」と脳が認識する前に、まず身体が感じて、症状として彼を表現するのです。
もし、自分に特有の症状が現れたら、「あ、ストレスくんが来たんだな」と意識してあげて下さい。認めてあげることで、初期症状は治まります。
その2 ストレスくんをもっと「表現する」
初期症状が治まったら、今度は彼をもっと積極的に表現してあげます。
「ああーっもう!○○のヤツめ!」と、躊躇なく、大声を上げて罵詈雑言を浴びせるも良し。(…ただし、お一人でね)。枕を壁に思いっきり投げつけるも良し。日記に彼の悪口を書き殴るも良し。
いずれにしても、ストレスくんを「自覚的に」思うままに表現して、彼の存在を認めてあげるのです。
その3 最後に、そんな「私」をいたわる
ここまで来たらもうカンタン。ストレスくんを思いっきり表現できた「私」を、「頑張ったね」といたわってあげます。
そうして、自分で自分を癒してあげるのです。
季節の変わり目になると、決まって風邪・発熱・下痢・嘔吐・胃の痛み・食欲不振・
倦急感など、何がしかの症状が出ませんか?
その1 季節の変わり目の意味
東洋医学では、季節の変わり目を「消化器の毒出しの時期」と考えます。
消化器以外の臓器毒出しが年1回(春)なのに比べ、消化器の毒出しは年に4回も
あるのは、日頃からの食べ過ぎによる毒がいかに多いかを意味しています。
一つの季節働き続けた胃腸や膵臓が、次の季節に備えて、溜まった疲労等の毒素
を「症状」として出さないようにしたいですね。
その2 春は要注意
また春は、消化器以外の腎臓・心臓に症状が出てくる季節です。
これは、消化器の毒素が腎臓・心臓に送られ、症状が出ていると東洋医学では考え
ます。心臓は心臓そのものに症状が現れるのとは別に、高血圧や脳溢血、脳血栓等
といった血管系に症状が出ることもあります。また、肩や腕(左側が多い)の痛み、痺れ、無気力等を訴える人もいます。
その3 毒出しするには?
第一に、頭寒足熱を心がけて下さい。全身の血行を改善することで毒出しを円滑に行うことができます。
第二に、旬のお野菜を頂いて下さい。
春の苦味と食物繊維を摂ることで毒出し
をすることができます。
特に、
・肝臓解毒:春キャベツ・ふきのとう
・腎臓解毒:たらの芽・ウド・ふきのとう
この他にも、菜の花・竹の子なども有効です。
美味しく食べて、毒出し健康生活を。
「季節の変わり目は、体がついて行かないわ」と言うお声をよく耳にします。
こんな時多いのが、急性の腰痛。でも、ちょっとしたことで腰痛は防げるのです。
その1 腹筋を強くする
腹筋は、腰の筋肉と表裏の関係です。腹筋を強くすることで腰を守ることができ、
腰痛リスクを減らすことができます。
その2 中腰は禁物!
相手を抱え上げる時、つい中腰の態勢からグッと力を入れた途端、グギッ!
…そんな経験はありませんか?
腰を曲げずに膝を効果的に使ったり、足の幅を広げて支持面を広げたりし、テコ
の原理を大いに利用しましょう。
その3 冷え・ストレスは、自律神経失調のもと
冷えや日常のストレスは、自律神経の乱れに繋がります。
自律神経は、背中の真ん中を、頭から骨盤にかけて走る神経です。交感神経は
アクセル、副交感神経はブレーキの役目を果たしています。冷えやストレスなどの緊張が続くと、血管は縮み、筋肉は硬くなって腰痛を発症しやすくなります。
知らず知らずのうちにリスクは高まっています。気づいた時には許容量を
越えていた…なんてことにならないよう、ご注意を!
ちょっとした工夫で、腰痛は防げるのです。
私たちの身体には、様々な生体リズムを調節している体内時計が備わっています。体内時計が乱れると、いろいろなダメージを受けてしまいます。
その1 体内時計の乱れチェック!
□ 食事の時間がバラバラ
□ 脂っこいものが好き
□ お酒を良く飲む
□ 肌が乾燥しやすい
□ 寝る時間と起きる時間がバラバラ
2つ以上チェックがついたら乱れている可能性が…。
その2 病気の関係
体内時計が乱れると、寝つけないなど不眠の症状が現れてきます。
夜の時を伝えリズムを整えるメラトニンというホルモンが減少してきます。もっとひどくなると、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム、癌等、生活習慣病を引き起こすことも。
その3 朝の時間が大切
体内時計を乱さないためには、朝起きる時間を一定にします。一定にすることで体内時計はリセットされます。夜遅く寝ても、朝は普段に近い時間に起きるようにしましょう。足りない時間は20~30分の昼寝で補います。
また、起きたら窓を開けて太陽の光を浴び、軽い運動を。
そしてタンパク質・糖分の含んだ朝食(ご飯、さかな、玉子を合わせた食事など)をしっかり摂ります。ただし脂肪分の食物はリセットしにくいし、夜の運動は体内時計を動かしてしまうので気をつけましょう。
一隣堂の治療では患者様の日常生活を見直し、体内リズムの再建のお手伝いもしています。
東洋医学では、「万物は春に生じ(誕生)、夏に長じ(成長)、秋に収め(収穫)、冬に蔵す(貯蔵)」と考えます。
夏は成長・繁栄の季節にあたり、一年のうちで最も身体が活動的な時期です。
逆に言えば消耗も激しい時期ですので、注意が必要です。
その1 胃を温める
暑さが続くと、自然に冷たいものを身体が求めますね。
しかし、冷たい飲み物や食べ物ばかりを選んでいると、内臓までが冷えてしまい
ます。胃が冷えると消化能力や免疫力が低下し、下痢や夏バテを引き起こしやすくなってしまいます。
東洋医学では、夏は全身を冷やし、お腹を温めることが良いとされています。
時には暖かいスープなどをメニューに取り入れてみましょう。特に味噌汁は適度に
塩分も摂れるので、夏バテ防止には最適です。また、生姜は胃腸を温め、消化吸収
も含めた代謝を促進する働きがあるのでおすすめです。
その2 早起きをする
夏は身体が活動的な時期です。しかし気温が高いため、日中に動こうと思うと、
熱中症や脱水症状が心配になってきます。
そこでおすすめしたいのは、早起きです。
東洋医学では、夏は早く起きて遅く休むのが良いとされます。少し早めに
起きて動いておいて、午後の最も暑い時間帯はのんびり身体を休めると、
体力の消耗を防ぐことが出来ます。
平成30年8月1日、一隣堂は12周年を迎えました。
これもすべて皆さまのお支えの賜物と、スタッフ一同深く感謝しております。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
この機会に、代表の北川楓樹に話を聞きました。(聞き手:S・H)
質問1 12周年を迎えた率直な気持ちを教えて下さい!
北川:まだまだ感慨は持てないですね。
まだ全然目標にしている事ができていないです。
「会社を大きくしたい」「社会に貢献したい」という気持ちは
当然ありますが、スタッフ一人一人の個性を活かし、
どう伸ばしてゆくか?…経営者として、またコンサルタント
としてもっともっと努力と経験を重ねていきたいです。
質問2 開業した頃と現在で心境の変化はありますか?
北川:一隣堂という会社が提供するサービスに対する「こうじゃなきゃいけない」
という‟こだわり„が、良い意味で薄くなって来ました。
開業して、現場に立ちながら会社を指揮していると、自分の意見を押し通して
しまい、上手くいかなかったことも沢山ありました。
施術者としての‟こだわり„を捨てることで、‟こんなやり方もありか?!„と
異なる方法を受け入れ、治療の質と売上を両立させることがようやくできる
ようになってきました。
質問3 その中で“こだわりつづけたい„と思った事はありますか?
北川:「患者様の声に耳を傾けることが出来るかどうか」です。
一隣堂の名前の由来は「一人の隣人としてあり続けたい」ですからね(笑)
質問4 今までの患者様で特に印象に残った方はいますか?
北川:そうですね。印象深い患者様は沢山おられますが…。
中でも戯曲家をされていたJ・K様は、圧巻でした。K様は寝たきりで言葉も
出せないほど衰弱されていました。しかし、その目は何かを訴えていると感じ、
「何か書きたいですか?」とペンを持って頂きました。すると御自身の名前を、
這いつくばるように懸命に、でもしっかりと丁寧に書かれたんです。K様は
既に末期の状態で、明日をも知れぬ身。けれどもその強い意思に、人としての
意地、「なんとしても生きるぞ」という強いお気持ちを感じたんです。
K様はその翌日、息を引き取りました。壮絶な最期でした。
質問5 これからの治療家に求められる技能は何だと思いますか?
北川:そうですね。一つには、目の前の患者様が「何をしたいのか?」というニーズ
を感じる観察力だと思います。そして二つには、そのニーズを汲み取りながら
「自分には何が出来るのだろう?」と考えることではないでしょうか。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます!
在宅専門の診療所・やまと診療所は、「在宅医療PA」というユニークな認定資格を設け、先端的な取り組みを行っています。先日、やまと診療所の往診チーム(医師1名とPA2名)に同行見学させて頂きましたので、レポートします。
その1 在宅医療PAって何?
PAとは、フィジシャン・アシスタント(Physician Assistant)の略で、医師のアシスタントを 行うだけでなく、患者様の側に立って、医師とのコミュニケーションを積極的に行う役割だそうです。
これはどういうことか?と言いますと、往診の現場では医師側→患者様側へ一方通行のコミュニケーションになりがちです。
「今日は調子どうですか?」と尋ねられても、「…ええ、まあまあです」などと曖昧な返事をしてしまったり、患者様が言いたいこと・質問したいことをきちんと言えなかったり。「先生もお忙しそうだから、こんなことまで聞いたら悪いわ」…そんな場面ってありませんか?
そんな時にPAは患者様側に立って(つまり、患者様に味方して)、先生へ「伝えるお手伝い」をしてくれるのです。
その2 どういう人がPAになるの?
では、どういう人がPAになるのでしょうか?
PAはあくまでやまと診療所内の認定資格なのですが、「認定PA」になるためにはいくつもの勉強会に参加し、試験を受け、経験を積む必要があります。
また、採用にあたって必要な医療系・福祉系の資格は不要ですが、人が好きであること、また「なぜ医療系を志すのか? なぜやまと診療所なのか? なぜPAなのか?」という気持ちの部分を重要視しているとのこと。
さらに、育成にあたっては「相手を主語にした会話ができるか?」「事実と感情とを分けられるか?」等をトレーニングし、「自分だけが良かれと思ってやっていないか?」「相手がそれを本当に望んでいるか?」を振り返れるような人財を育てたいとのこと。
その3 院長先生の思い
やまと診療所は、なぜここまでコミュニケーションのプロを育てたいのでしょうか? そう疑問に思った私は、院長の安井 佑先生がどんな方なのか? PAの方に 質問してみました。
安井先生は高校時代に御尊父を癌で亡くされたそうですが、その闘病生活において様々な後悔の念を持たれたそうです。
そして一念発起。1年の猛勉強の後、東大医学部に現役合格し、形成外科医になられました。その後ジャパンハート(発展途上国に医師・看護師を派遣する医療ボランティア組織)にて海外で多くの手術を手掛ける中、「医師を動かせる人財が必要だ」と思われたそうです。
診療所内での合言葉は、「僕らのゴール(目的)は何でしたっけ?」
日頃から、生死について、看取りについて、PAと医師とが話し合い、理想の在宅医療の在り方を追求しているそうです。
そして現場でも「僕らのゴールは…?」という合言葉を用い、具体的な提案とともに医師に投げかけられる。そんなPAを育てていくのがやまと診療所の試みであり、使命だと熱く語って下さいました。
病を、病単体で診るのではなく、患者様の人生にとってどういう意味を持つのか…そんな患者様への深い思いに、心から共感しました。